着物大学

賢い着付け教室の選び方

   2017/02/21 きもの 基礎知識 着付け

いろいろな着付け教室

kituke-s

着付けを習いたいと思って、教室を探してみると、その数の多さに驚きます。
専門学校や、全国で着付け教室を展開する大手グループや、呉服店での教室や、カルチャー講座、個人宅でのアットホームな教室まで、着物の着方を教えてくれる教室は、実にたくさんあるのです。

自分で着物を着たい!
最初はそう思って、着付け教室に通われる方が大半だと思います。
最初から資格を取得してプロになりたいという方は少数派でしょう。

また、基本的な和装の決まりごとを知りたい。お嬢様やお孫様など身近な方に着付けられるようになりたい、という方もいらっしゃるでしょう。

着付け教室の数は膨大ですので、こうした趣味で着物を楽しみたい方には、たくさんの選択肢があります。
だからこそ、迷ってしまいますね。

まずは、ご自分が何を身につけたいのかを考えてみましょう。

・自分で着物を着ることができるようになりたい。
・他の人に、着物を着せてあげられるようになりたい。
・和装について全般的に勉強したい。

など、目的はそれぞれです。CIMG9175

ご自分が習いたいことを教えてくれる教室を探しましょう。
教室によって、方法も様々です。
決まったお道具を使うところもありますし、自宅にあるものを使って臨機応変に教えてくれるところもあります。
紐の結び方一つとっても違いがありますが、単純に流派の違いであって、どこが正しいということはありません。
ですから、ご自分に合った好きなところを選べばよいのです。

例えば、帯の結び方は、ごく普通のお太鼓の手結びでもいろいろな方法があります。
それに加えて、道具を使ったり、前で結んだりする方法を教えてくれる教室もあります。
参考に、その長所と短所をみていきましょう。

CIMG2343 CIMG0250

<改良帯枕などの道具を使う場合>
改良帯枕と一口にいっても、いくつか種類があります。
基本的な形は、枕の下に帯を固定できるように部品や紐がついています。
帯を胴に巻く前に、お太鼓の形を作って帯枕に固定し、背負うようにして着付けます。

長所
・短い帯でも結ぶことができる。
・手結びでは柄出しが難しい帯でも、前柄やお太鼓柄の調整が容易。
・変わり結びが自分でできる。

短所
・通常の枕より大きいので、重たい。
・道具の形によっては帯を痛める。

<前結び>
帯を結ぶとき、後ろと前を逆に結んで、最後にくるっと背中に回す結び方のことです。
名古屋帯や袋帯の一重太鼓や二重太鼓を、前で作ってから、後ろに回します。
(半巾帯を自分で結ぶときは、前結びが主流です)

長所
・背中に手が上がらない人でも、楽に帯枕を乗せることができる。
・正面で確認できるので、形を整えやすい。

短所
・後ろに回すときに、衿元が崩れやすい。
・帯板の位置がわかりづらい。また、ずれやすい。
ほとんどの教室はカリキュラムを公開していますので、調べてみるとよいでしょう。

大手の教室ですと、カリキュラムが整っていますが、その分、融通が利かないということもあります。
反対に、たくさんの流派を勉強した先生が個人的に開いているような教室は、一つの方法にこだわることが少ないでしょう。

CIMG2358 CIMG9132

気になる教室があったら、最初に見学や体験教室を申し込むと、雰囲気がわかってなお良いと思います。

また、教室で企画開催されている、イベントなどについても目を通してみるとよいですね。
例えば、着物でお出かけ、食事会などの行事がある。
着物ショーや、着付けコンテストに参加している。
着物の産地を訪問する研修企画がある。などなど。
どんな性格の教室なのか、判断する基準の一つになると思います。

着物の着付けで大切なこと

もともと、着物は普通に誰もが身につけていたものです。
時代の流れで、日常には洋服が主となり、着物は家の中よりも、式典やお出かけのときに着る方が多くなりました。
そんな事情からでしょう。現在の着付けは、より美しい着姿を目指したものになっています。
そのため、体型補正をしたり、帯板を入れたりするわけです。

皺一つない雑誌モデルさんのような着姿を追求するあまり、苦しい着付けをされてしまうことも、残念ながらあります。
動くと着崩れるので、体が動かないように着付けてしまうのです。

写真館などでは、写真撮影が済めばすぐに脱ぎますから、一時のために、完璧に緩まないきつめの着付けをしがちになります。

CIMG9204 CIMG9133

苦しい体験をしてしまうと、もう着物なんか着るのは嫌だわ。となってしまうのも当然です。

人の体は動くものですから、いつも決まった姿勢でいるわけではありません。当然、身につけている衣服も一緒に動くのですから、多少の着崩れはします。
でも、人の体に沿った着付けであり、動くことで直しが簡単にきれいに出来るものであれば安心です。

また、着物を楽に着るもう一つのポイントは、使う紐を減らすことです。

当たり前のことですが、紐をたくさん使えば使うほど、苦しいものです。

多くの場合、長襦袢と着物で3本の紐を使いますが、腰紐1本、という着付けを教えてくれる教室もあります。

笹島寿美さんという方が生み出された着付けは、人の骨格から考えられた着付けです。

きもの人の着付け教室は、笹島式着付けをベースにしていますのでおススメです。

さらしを使って体型をしっかりと整え、着物と体の間の空気をしっかり抜いて、ゆるみにくい腰骨などに紐をかけます。

長襦袢の上から着物を着て腰紐をしっかり巻いた後、長襦袢を締めた伊達締めは抜きます。
また、帯をしっかり巻いた後、着物を押さえる胸紐も抜きます。
結果的に腰紐1本になりますので、とても楽です。

また、帯や着物がしっかり重なって体を包んで押さえていますから、着崩れも少ないのです。
体を締め付けずに最大の効果が出せる紐の縛り方をするので、動いてもゆるまず、締め付けない、楽できれいな着付けです。

何回も通っても上手くならない着付けも有りますが、きもの人着付けは短時間で着こなせる方が多いです。

人数が多くて全員が同じことを行うお教室では落ちこぼれてしまう方もいるようです。

楽しく通えて教え方の上手なお教室を見つけてくださいね。

参考サイト

伊藤康子のきものライフコンサルティング
http://kimono-bito.com/z-70213cordinate/index.htm

きもの人着付け教室
http://www.kimono-bito.com/z-100717kicd/index.php

この記事を書いた人

ban-kiji_kaithit_yamamoto01

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

多言語翻訳 Translate »