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七五三~お母様の着物と帯合わせ

お子様が七五三をお迎えのお母様、私もキモノを着てしてみようかしら、と、一度ならずお思いではありませんか?image1

気候もよい季節ですし、七五三は、普段お忙しくされているお母様が、着物を楽しむ絶好の機会であることは、間違いありません。

お子様の七五三をきっかけに、着物をもっと楽しみたいと思われる方も多いようです。

でも、着物にもいろいろあるし、七五三でママは何を着たらよいのかと、悩んでしまいますね。

七五三は身内でのお祝い事なので、服装に特別な決まりやルールはありません。
そうは言いましても、お子様が晴れ着であるのに、親御様がカジュアルな普段着では、バランスが悪く見えてしまいます。
せっかくのお祝いの日ですから、場に相応しい恥ずかしくない装いをしたいものです。

七五三のお祝いで、お母様が着物をお召しになるとき、どんなことに気をつければよいのでしょう。

<七五三のお母様に相応しい着物の『格』は?>

着物の格とは、フォーマルかカジュアルかとうことです。image2
留袖や振袖は礼装ですから格が高く、紬や浴衣など普段着に近くなるほど格が低くなります。

七五三はお子様が主役の行事です。
お子様の装いの格より、少し控えめなくらいがよいでしょう。

また、できるだけ、お父様とお母様のお召し物の格を合わせましょう。
フォーマルとカジュアルが混在していると、何かちぐはぐになってしまうものです。
ご兄弟姉妹の服装も同様です。家族全体の調和をとりましょう。

お子様が着物をお召しのときは、一般的に親御様は準礼装・略礼装にします。image3

女性の準・略礼装では、色留袖(比翼なし)、訪問着、付下げ、色無地、江戸小紋が使えます。
この中のどれを選んでもよいのですが、訪問着、付下げ、色無地あたりから選ばれる方が多いですね。

礼装とは、基本的に紋(家紋)がある着物を指すのですが、式典ではありませんので、七五三のお母様は、紋の有無にこだわらなくてよいと思います。

色無地や江戸小紋を七五三でお召しの場合は、一つ紋があったほうが、無難という方もいらっしゃいます。
紋を入れる場合は、一つ紋か三つ紋を、染め抜きや縫い(刺繍)で入れます。image4

近年の傾向としては、紋を入れない訪問着が好まれるようです。

昔は、一つ紋の色無地をお召しの方も多かったです。
ちなみに、着物は紋の数が多い方が、格が高くなりますので、一つ紋の色無地の方が紋のない訪問着よりも格の高い着物とされます。

それほど格式ばらずにとお考えなら、柄行きによっては小紋でもよい場合もあるでしょう。
江戸小紋や、無地感覚の小紋などはフォーマル感があります。
コーディネートの帯や小物で格を上げることもできます。
ただ、カジュアルすぎるものは避けた方がよいでしょう。

<七五三のお母様におすすめの色や柄>

七五三のお母様の着物は、若々しく品のあるものがよいですね。
お子様の慶びごとですから、お母様は控えめではあっても、沈んだ色よりも、きれいな色が映えます。
何より、ご自身との調和が第一です。

お子様のお召し物との色のバランスを気にされる方もいらっしゃいますが、image5
あまり神経質にならず、ご自分にお似合いになる色をお選びになればよいと思います。

小さいお子様と色がかぶることはまずありません。同系色でも雰囲気が全く違ってくるものです。
お子様よりも目立ってしまわない色柄であることだけ、気をつければよいでしょう。

七五三は10月から12月にかけて予定を組まれる方が多いですね。
着物は10月から袷の季節ですので、袷の着物を用意しましょう。
袷とは、裏地のある仕立ての着物のことです。image6

着物には、四季それぞれの絵柄があります。
七五三の時節に、新春や春の絵柄は季節外れになってしまいますので、気をつけましょう。
紅葉や実りなど、秋を描いた柄行きは趣があって素敵ですね。
けれど当然、他の季節にはお召しになれません。
10月と12月では季節感が違いますし、文様化されていない写実的な絵柄ほど、季節が限定されますので、ご注意くださいね。

有識文様や吉祥文様など、季節に関係ないおめでたい柄も、お祝いごとに相応しいです。

一番目の画像の、水色の地色に七宝華紋と牡丹唐草は、image7
この組み合わせですね。

また、四季の花や抽象花が描かれている着物、いつでもお召しになれます。
二番目の画像は、抽象的な洋花が描かれ、モダンな印象です。
三番目の画像は、四季の花に、亀甲や七宝の有識文様の組み合わせで、古典の雰囲気がします。

趣味性の高いものや、主張のある柄行きよりは、お子様を引き立てる品格のある品がよいでしょう。

<訪問着、付下げ、色無地の特徴は?>

1、訪問着

訪問着は、絵羽模様と言って、縫い目で絵柄の途切れない柄付けが全体に施されているので、お祝いごとに相応しい華やかさがありますね。image8

紋を入れない訪問着は、結婚披露宴から、パーティー、普段よりかしこまった場所でのお食事会、卒入学式までお召しになれます。
さまざまな行事で活躍する、汎用性の高い着物ですね。

特別な時にこそ着物を、という方が増えていますから、七五三だけでなく、今後の出番を考えて選ぶ方も多いのでしょう。

付下げに比べて、生産数が多いので、好みの品を見つけやすいということもあるでしょう。

2、付下げ

付下げは訪問着よりも、やや格が軽くなります。image9
とはいえ、訪問着でも軽い洒落着もあり、付下げでも重い柄行きのものもありますから、一概には言えません。

訪問着と同様に、肩・裾・袖に絵柄がありますが、違うのは、前身頃から後身頃、衿と肩の模様が繋がっていないことです(たまに例外もあります)。
お店では反物の状態で並んでいますが、小紋と違い、上下の向きが揃うように絵柄がデザインされていますので、仕立て上がったときに柄が逆さになることはありません。

訪問着より、比較的お求めやすい価格です。

すっきりした品のよい付下げは、パーティーや観劇、食事会、ちょっとした会の集まりなど、訪問着では仰々しいときに、わりと使い勝手がよいものです。

3、色無地

帯を自由に取り合わせて、変化を楽しむことのできる着物です。
また、五つ紋、三つ紋、一つ紋と、礼服としての格を変化させることができます。
紋を入れなければ、スーツのような着こなしでビジネスシーンにも使えますし、ワンピース感覚でお出かけもできます。

生地の風合いや色によって、雰囲気がずいぶん変わります。
一色で染める着物だからこそ、質の高さにこだわりたいですね。

色は慎重に選びましょう。
初めての方は、染め上った色無地から選ぶ方が、イメージがわかりやすいかもしれません。
好みの色がなければ、染めていただくこともできます。

色無地の地紋は、様々です。
七五三でしたら、格調ある有識文様や、唐草紋などおめでたい柄もよいですね。
角度によって浮かび上がる地紋は、意外と目立ちます。

無地や、光沢感を抑えた紗綾形・霞・疋田などの地模様は慶弔を選びませんが、両用を考えるならば、色も両方に相応しい色を選択しなければなりません。
個人的な感想ですが、必要であればそれぞれ別々に誂えた方が、結局はお得なのではないかと思います。

<七五三のお母様~どんな帯を締めるもの?>

七五三のお母様にお薦めの帯は、色柄に品格があり、それでいて華やかさとimage10現代的なお洒落感がある帯がいいですね。

着物をコーディネートするとき、先に着物を決めて、次に着物に似合う帯を選ぶ、という順番の方が、やりやすいものです。

帯は、長さや幅、お仕立ての形によって、丸帯、袋帯、名古屋帯、半巾帯などの種類があります。
七五三のお母様は、袋帯が順当でしょう。
慶事は袋帯を二重太鼓にして、「慶びが重なる」という縁起を担ぐいわれ方をします。

帯は、色柄の品格で格が決まりますので、名古屋帯でも、訪問着や紋付きの色無地に締められる帯もあります。
金銀の綴れ名古屋帯は留袖にも締められる帯ですので、別格としても、唐織や豪華な刺繍の名古屋帯などは色無地などの紋付きに合わせてもよいでしょう。
わざわざ名古屋帯で探す必要はありませんが、お手持ちの帯でありましたら、お使いになられてもよいと思います。

七五三では、訪問着、付下げ、色無地を、準・略礼装の格で装いたいのですから、袋帯でも、洒落感の強いものは合いません。

古典柄が必ずしもよいとは限りませんが、品よくまとまりやすいことは確かです。
その方の雰囲気にあった、可愛らしさや格好よさが引き立つ帯ですと、より素敵ですね。

<まとめ>

七五三のお祝いをどのようにされるかは、ご家庭によって、それぞれだと思います。
記念写真だけ撮りたい方。
ご家族で寺社への参拝をお考え方。
ご親戚にご挨拶に回ったり、お身内でお食事会を催されたりする方もいらっしゃるでしょう。

先にも述べましたように、決まりはありませんが、例えば、拝殿でご祈祷を受けるときなどは、神前に上がることになります。
訪問着や紋付きの色無地など、格のある装いがより相応しいでしょう。

お手持ちの着物を活用なさりたいときも、ご自分では判断がimage11難しいこともあるでしょう。
七五三にこの着物でよいのかな? コーディネートはどうしたら? など、疑問に思ったら、着物の専門店に相談しましょう。

ご購入をお考えの際も、今後の着物ライフと併せて、どんな種類・格の着物がよいか、積極的にお尋ねになるとよいでしょう。
曖昧にせず、一貫性のあるしっかりした答えをくれるお店を選びましょう。

お近くの呉服店や着物レンタル店をお訪ねになってもよいですし、ホームページでメールの相談窓口を設けているお店もあります。
時間を気にせず相談できるので、お忙しい方には強い味方ですね。
着物コンサルタントやコーディネート相談など、ネット検索で見つけることができます。

また、地域やお家の慣習もありますので、目上の身内の方がいらっしゃれば、相談に乗っていただいてもよいと思います。

お子様のお支度と並行して、ご自分の準備をされるのは大変だと思いますが、いつか、と思っていらっしゃるなら、着物をお召しになるよい機会だと思います。
また、30代、40代は、母親として美しく充実し、お洒落を楽しめる時期でもあると思います。

是非、お母様も素敵な着物姿で、お子様の七五三をお祝いしていただきたいです。

この記事を書いた人

ban-kiji_kaithit_yamamoto01

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