着物大学

個性を発揮できる着物ライフ

○「自分の個性」を把握する難しさ

着物を素敵に着こなすためには、自分、着物、TPOの大きく3つのことを知る必
要が有りますが、その中で、「自分」の「個性」は、自分自身でも理解していな
いことが多く、様々な影響を与える大きな問題です。

間違いなく素敵なきもの姿への調整要素円グラフの
「自分」の「個性」の部分です。
http://www.kimono-bito.com/y-150209klcon/index.php

S様の場合で見てみましょう。

○S様の様々な着物姿

洋服姿のS様です。

▼左がS様             ▼右がS様
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普段、ご自分で選んでお召しになっている着物姿です。

S様に、様々な着物を当ててみていただきます。

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暗い訪問着に金の帯です。
地味に見えお顔が暗く見えます。
お似合い度合い  1/5(5点満点で5点が最高点)

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上記の訪問着よりはお似合いです。
きっぱりとした地色と柄の華やかさが似合っています。
金の帯も上の金の帯よりも良いですが、もっとお似合いのものが有りそう。
お似合い度合い 2.5/5

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白い上質紬に、こげ茶に黄色のワニの染め帯
白い紬のシンプルさが合っていません。
帯のこげ茶色が暗く見え、ワニがシンプル過ぎて感じます。
お似合い度合い 2/5

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薄いイエローがかった水色で裾ぼかしの訪問着に白い袋帯です。
お顔が暗く寂しく見えます。白い帯も冴えません。
着物がもっとお似合いなら少しは効果的な帯になる可能性が有ります。
こんな時は、帯締め・帯揚げにはっきりしたS様らしい色合いを加え
ることで似合うに近づけますが、完成度が高いとはいいずらい着姿です。
お似合い度合い 2/5

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薄いきれいなピンクの付け下げです。
お肌には綺麗に合いますが、色や柄が足りないのが寂しく感じられます。
お似合い度合い 2.5/5

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黄緑のくすんだ無地の紬にきれいな紫の無地の帯です。
くすんだ色は、お肌を引き立ててくれません。
着物も帯も無地であることが寂しく感じます。
お似合い度合い 2.5/5

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水色の付け下げに白い名古屋帯
薄すぎない水色のきものの色は合っています。白い帯も合っています
が全体に色数とインパクトが足りない感じがします。
CDお似合い度合い 3/5

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ピンクの付け下げ胸元と裾に花柄
元気な可愛い柄はお似合いかな?ピンクの地色はもう少し薄いか濃い
のどちらかの方がお似合いかもしれません。
お似合い度合い 3/5

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蛍光色のようなきれいでインパクトが強い黄緑の地色に刺繍した付け
下げと水色の雪の結晶の袋帯です。
着物の地色がとてもお似合いです。
黄色とは仲の良くないはずの帯の水色が、溶け合う調和ではなく、お
互いに際立つ色合いとして若々しくお似合いです。
帯の柄の多さ、丸さも合っています。帯締めと帯揚げで、もっと強い
別の色を加えることで、一層素敵になります。
CDお似合い度合い 4/5

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薄い水色の柄の少ない付け下げに、パンチが効いた色柄の袋帯です。
薄いきものの地色はお似合いですが、柄が少ない寂しさを、帯の色数
の多さ、色の強さが救ってくれています。帯締め・帯揚げも、帯に同
化しすぎる色よりは少し主張がある色が合います。
CDのお似合い度合い 4/5

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こげ茶に大きな花柄の小紋と白地にさわやかな花の名古屋帯
カラフルで柄の大きい小紋のダイナミックさはお似合いです。
地色がもう少し明るい方が合うでしょう。
CDお似合い度合い 4/5

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強い色合いの水色の付け下げと、白地に柄が入った袋帯です。
着物の強さがとてもお似合いなので、帯の白さが弱くてもCDとして
合格ラインです。  4.5/5

○S様の似合うもの結論

上記のように色々と当てていただくと、お似合いのもの、お似合いではないもの
が見えて来ます。

S様は、薄い透明感が高い強い色がお似合いです。
それは、お肌の色との関係です。
くすんだ色や濃い色では、お肌が暗く見えることが多いです。
色から受ける影響がとても大きいです。

全身の着姿の色数が4色以上がお似合いです。
強い色があれば、色数が少なくても合います。
無地では、とても寂しく見えます。

柄が沢山有るものがお似合いです。
小さいモダンな柄が密集しているものがお似合いです。
エスニックな雰囲気がお似合いです。

S様は、↓の色個性表のViaje(ビアージェ)タイプです。
http://www.kimono-bito.com/z-90928ab/irokosei.php

○個性を引き出してくれる着物

人によって、お似合いと思われる色と色数は随分違います。
S様も、お肌に合う地と色と色数の出会いの重要性が分かりました。
ただ、色数が3色以上になると、ごちゃごちゃ感が出易いので、その調整も必要です。

洋服姿では、このような個性は標準化されて、着物ほど目立ちません。
それは、着物ほど素材感の違いが少ないこと、色柄のバリエーションが少ないこ
とが考えられます。

また、洋服はラインで着るものに対して、着物は形は決まっていますから、
色柄素材の訴求力が大きいです。
体の広い面積を覆い、それだけ表現力が強くなりますから、個性に合うものを着
ることで個性の発揮が出来て、その方らしくとても素敵に見えるのです。

現代は、みんなが同じことをする時代ではなくなりました。
個性をしっかりと持って個性を発揮することでこそ強く素敵に生きられる時代です。

個性を追求できる着物ライフは、私達に多くのことを教えてくれます。

参考サイト

伊藤康子のきもののコーディネート講座
http://www.kimono-bito.com/z-71026kimono-lesson/index.htm

伊藤康子のきものライフコンサルティング
http://www.kimono-bito.com/z-70213cordinate/index.htm

きものの色から個性を知ることが出来る色個性(きもののファッションタイプ)
http://www.kimono-bito.com/z-90928ab/kimono-fashion-sense.php

この記事を書いた人

ban-kiji_kaithit_itoyasuko

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