「ご主人が呉服屋さんですか? きもの好きが高じてスタートなさったの?」 なんて、私のきもの姿しかご存知ない方々からお声をかけていただくことが多い今日この頃です。
実は私は、2000年の春までは会社員として早朝に家を飛び出して暗闇深くなってから帰宅する 生活にどっぷり漬かり、頭の中は事業計画の達成とか社長の明日のスケジュールで一杯になり、スーツと ハイヒールの生活だけは捨てたく無いなんて思って いました。社長秘書なんていう道に入ってしまったため、 会社命みたいなOLでした。
そんな私が、まがりなりにもきもの屋の女将として 現在に至ったいきさつや、このすばらしくも奥が 深いきもの業界で、てんやわんやの奮闘をしている姿を、はずかしながらお読みいただければ幸いです。
20歳代でお花、お茶、着付けの心得は有りましたが、母に着付けて もらっていた身ですから、帯揚げと帯締めの名称も良く分かっていなかったとは、今だからお話できることです。
2000年3月末でOLを辞め、9月に45歳でネットのお店を出すまでの顛末が、少しでもお役に立てば幸いです。