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■茜で染めたきもの
「茜」は本州以北の山地、野原、畑地にみられる蔓科の多年草。
この根っこが、最も古い赤色染料として使われてきました。
色見本のあかね色に比べるとオレンジ味が少なく、桜色に近い。
アルミ媒染だけでなく銅、鉄も使用。
桜の皮で「桜鼠」に染めたグレーの糸も使用。 絣でほとんど白色の所を作り桜の花びらのイメージ。 茜色とは朝日か夕陽か、説は2つある。 この色は数年前、相模湾で見た初日の出、 反対側の富士山が数分はやく薄あかくなって来た時の色である。 平成10年4月から始めて織り上がりは9月 |
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■コチニールと松煙で染めたきもの
コチニールはペルー原産で、サボテンについている貝殻虫の一種。
アルミ媒染でピンク系、錫媒染で鮮やかに、
銅媒染で藤紫系、鉄媒染でグレー系の藍紫色を染める。
食品の色付けに使われている。
リキュールのカンパリの色である。
くちなし、エンジュ、マリーゴールドなどの黄色の糸に
染め重ねると橙色から紅色までいろんな色が染められる。
書道用の松煙墨を使用、
松の根または幹を不完全燃焼させて作った煤。
煮染めではなく浸して染み込ませるので
絹糸の光沢がそのままなので透明感の多いねずみ色になる。
硯でゆっくり摺り、鍋に貯めて使用する。
かなりむらに染み込むので注意が必要。
子供の頃学校の書道の授業で墨が服についてしまい
洗濯しても落ちなかった記憶があるが、
それを考えるとかなり堅牢度はよいかもしれない。
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■コチニールとタマネギで染めたきもの |
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■石榴(ざくろ)で染めたきもの
ざくろ科・ザクロ属
イラン、アフガニスタンなどで野生している。日本には平安時代に入る。
6月ころ赤い花をつける。
昨年10月藤岡で採取。Itさん二人に採っていただいた。
乾燥させるのが大変だった。
石のように見える皮がかなり水分を含んでいたため、 時間がかなりかかった。
煮出して染液 を取る。
かなり赤みが強い。まさに“ザクロジュース”の色。
黄色が輝いて見える。
染め物をしていて1番楽しい時。
煮出した液に生成りの白い糸を浸す時。
糸も液も1番輝いている。
中干し。たまご色。
糸の間を風と陽が通りぬけて行く。
気持ち良さそうに感じるが。
少量の銅媒染。
緑みの黄色。
無媒染は赤みのたまご色というか赤みのベージュ色。
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■石垣島でやっと手に入れた"そめものいも”で染めたきもの
やまのいも科 別名:紅露(クール)
沖縄より南の地方の山野に自生する山芋。食することはできない。
乾燥する前は本当に紅色をしている。沖縄特産の紅芋とは違う。
沖縄の工房で刻んで干してあった。
ここのご主人に頂いた。
最近はあまり採取できないと言っていたが、
沖縄の自然も破壊されつつあると言う。
使用した糸
黄色の絣部分はウコンで、 下染めをしてからそこを絣に染め重ねてある。
鉄媒染でグレー、銅媒染で茶味の紫
アルミ媒染で臙脂色
しょうが科/ウコン属
熱帯アジア原産 沖縄のウコンが有名。
防虫殺菌作用があるので、ウコン染めの布できものを包んでいた。
産着にも使用。
見た目にはほとんど同じ葉のサルトリイバラ
ゆり科/シオデ属
久米島で機織をしているお宅の庭に栽培されていたもの。
根魂(グール)を染料として使用する。 クールほど赤くない。
久米島絣の独特なこげ茶
鮮やかな黄色に染まる。 色はこのグールとテカチ染めで泥媒染している。
黄茶色は福木、クルボー、ヤマモモ、灰色はユウナ。
福木の樹皮を使用する。
沖縄では防風林として植えられているので何処でも目にする。
染め工場で伐採されていたもの
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■桜で染めたきもの(限りなく無地に近い縞)
ばら科/サクラ属
学名/Prunus lannesiana 染井吉野
大島ざくらと江戸彼岸との交配種である。
緑葉、樹皮、幹材、小枝を使用する。
採取する時期によって色が違ってくる。
つぼみが膨らんできた時は、その色、桜色が出ると言われているが
なかなかピンク色には染まらない。
人情として花を咲かせてから、
枝を、幹を、葉を頂戴したいと思うが・・・ 平成10年10月から平成11年6月頃織り上がり
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■桜と藍・矢車附子で染めたきもの |
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